2021年1月31日

第2回の勉強会ではDavid. A. KolbのExperiential Learning Cycleについて学びました。このExperiential（名詞Experience）は日本語で経験や体験と訳されますが、それぞれ意味がことなります。 体験と経験の違いを説明できますか。体験や経験を扱う分野（ビジネスや教育など）で解釈は微妙に異なるようですが、体験学習の文脈では、「体験が経験になり、学びに変わる」プロセスを分かりやすく説明している以下の文章が分かりやすいです。 「体験から経験へ、そして学びへ」 よく「〇〇体験」という言葉を目にします。代表的なところでは、自然体験あたりでしようか。しかし、自然体験を自然経験と言い換えることはまずありませんし、違和感さえ抱いてしまいます。体験とは、そのときに個人が実際に身をもって取り組んだことです。つまり自然体験とは、個人がそのとき実際に自分の五感を通じて自然とふれる取り組み(活動)となります。 それでは「経験」とはどういうことでしようか?そのときの体験が時間の経過とともに経験になるということでもありますが、さらに時間の経過だけでなく、自分自身の中を経ていくということでもあります。図1の通り、体験したことによって自分の中で気づきや発見があったり、感情的な動きがあったりする過程で、この体験がどんどん自分の中へ入り込んでいきます。こうして、体験が単なる体験に終わらず、その体験が自分の中へ内面化することを経験というわけです。 そして、この経験に基づいてこれから必要となるであろう教訓(実践知)を導き出したり、すでに内面化されたほかの経験や外部から取り入れた知識・情報などと関連付けて、共通点や相違点を見出したりすることを「学び」としています。 先ほどの自然体験を例にしてみると、自然いつばいの場所で川に入り、動植物とふれあうなどの実際的な活動は体験になります。この体験を通じて、身近な用水路とは異なった水質のよい川の水に心動かされ、この川の中だからこそ生息する生物の存在に気づき、改めて自然の中にある川のすばらしさを実感していくことで経験になっていきます。さらに、なせ水質のよい川に生物が生息するのか(なせ、身近な用水路にはこのような生物が生息しないのか)、水質をよくするためには何が必要なのか、などの問いを立ててその問いに迫っていく過程が学びになります。このように体験と経験と学びを区別することで、私たちは体験から経験、そして学びへといった3つの段階を意識することができるのです。 第3章 非認知能力の育ち方・育て方 「学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす」中山芳一 東京書籍 2018 よく体験させるだけでも意味があると聞きますが、私たちはゲーム屋さんやアクティビティ屋さんではありません。子どもを育む指導者です。プロの指導者；教育者として求められるのは、五感を使う体験を計画し、参加者が主体的に取り組めるようにアプローチし、その体験が体験者自身の中へ内面化した経験に基づき、他の活動あるいは日常生活、学校生活で応用できる教訓(実践知)を導き出す。すでに内面化されたほかの経験や、グループのメンバーやリーダー、スタッフの視点から取り入れた知識・情報などと関連付けさせて、共通点や相違点を見出したりする。ではないでしょうか。 さんが次にプログラムで指導するのはいつでしょうか。ぜひ、体験学習サイクルを意識して「サイクルをまわし」てください。 この書籍は、対象を踏まえた非認知能力の理解と育て方を理解するのに非常に分かりやすい本でお勧めです。私は販売当時に電子書籍で購入しましたが、今はAmazon Kindle Unlimitedで無料！（Amazon Kindle Unlimitedは月額定額です）。私はUnlimited会員でもあるのでショッーク！

月	火	水	木	金	土	日
				1	2	3
4	5	6	7	8	9	10
11	12	13	14	15	16	17
18	19	20	21	22	23	24
25	26	27	28	29	30	31